【子どもの股関節痛の落とし穴】ペルテス病

子どもの股関節痛 ペルテス病

 

いつも楽しく遊び回っている子どもが急に歩かなくなり、

歩き方が変になったりすることは頻繁にあります。

 

親としてはそんなことが急に起こると当然の如く心配になりますよね

昨日までの元気はそっちのけで、急に歩けなくなりますんで。。。

 

だけど、小学生以下のこういった症状のほとんどは単純性股関節炎という、

一過性の炎症です。

 

原因なく、股関節で炎症が起こり、関節に水が溜まり、歩けなくなります。

しかし、1週間で回復して普段通りに歩けるようになります。

 

95%以上が股関節に原因がある、

こんなエピソードの症状なら勝手に治ります。

 

だけど、たまに見逃すと大変である疾患があります。

それがペルテス病という病気になります。

 

 

股関節(大腿骨の骨頭)が扁平化してしまう病態です。

なんらかの理由で血流が途絶えて、壊死を起こします。

 

画像は向かって右側が左の股関節になりますが、

左右差があるのが確認できるかと思います。

 

症状・エピソード

 

 

ペルテス病と単純性股関節炎の特徴は

 

  • 原因なく歩き方がおかしい
  • 股関節を痛がるわけでもなく、大腿部を痛がることが多い

 

という点です。

股関節部分の痛みを親に訴えるわけではないんですねー

 

これが以外と落とし穴で、

股関節痛がらないから医療機関でも股関節のレントゲンを確認しないこともあります。

ですので、自分の子供でも股関節かも?と思えるかは難しいかもしれません。

 

ポイントは医療機関でも股関節由来とは気づかずに、

見逃されてしまうことがあるということです。

 

 

ペルテス病の特徴

 

圧倒的に単純性股関節炎と差があるのは、

歩行がおかしい期間が長い!

ということです。

 

理学所見のとり方、評価の仕方など色々ありますが、

画像評価ではなく、

疑うべき項目はこれで間違いないと思います。

 

ましてや親の方が遭遇する機会は極めて稀ですので、

指標はこれで十分でしょう。

 

期間は??と問われたなら、

「2週間」

 

が妥当かと思います。

 

ペルテス病の方が症状の出現の仕方が緩やかで、

徐々に歩き方がオカシイかな??

という感じで発症するようです。

 

で、周りの親が「何か走り方が変じゃない?」

とかいう感じで気づくことも珍しくありません。

 

 

見逃されやすい特徴

 

早期発見、早期治療が大切になるペルテス病ですが、

医療従事者側からすると発見することが困難であることも多く、

見逃されやすい疾患であることは親も知っておくべきことでしょう。

 

そもそもそれほど多く遭遇する疾患ではないのが、

背景にはあります。

 

医療従事者側は子供の跛行があれば、

ペルテス病を疑わないといけません。

 

過去に私自身も発見が遅れた経験もあります。

経過でリカバリーはでき、

患者さんの治療方針には影響ありませんでしたが

ゾッとする経験でした。

 

 

これも左股関節がペルテス病ですが、

この画像では確認が難しいです。

 

初期段階では症状から疑って、

ペルテス病を狙った撮影方法が必要になってきます

 

まとめ

 

  • 10歳以下の子供で原因なく跛行が出たら要注意
  • 治療方針は装具着用と手術療法と2種類ある
  • 1週間以上に渡り歩行がおかしいときは必ず医療機関を勧めます。
  • 見逃されやすく、医療機関で「問題ない」と言われても油断しない
  • 子供が痛みを訴えるのは大腿部、膝などが多く股関節を訴えない

 

比較的に稀な疾患ですが、

診療の場面では普通に遭遇します。

 

そして、装具も1年以上着用が必要なことも多く、

早期発見がポイントになります。

 

ということで、ペルテス病についてまとめてみました。

 

 

 

 

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