シンスプリントとは
シンスプリントとは走ったり、ジャンプしたりする競技で足のすねが痛くなる疾患です。
頻度は比較的に多い疾患であり、陸上選手には大変多く発生します。
また、バレー、バスケ、ハンドボールなどの競技でも珍しくありません。
性別は女性が圧倒的に多いです。
病態としては、骨膜炎と言われるものでして、
脛骨(すねの骨)が筋肉などに引っ張られることが、
繰り返し起こることで生じてしまうものとされています。
画像で示した左足の赤いポイントが疼痛部分になり、
すねの内側になります。
ポイント
- シンスプリントになる人は脛骨疲労骨折を発症する方も多いので注意。疲労骨折は無理すると完全骨折に至ります。
- 機能的な問題を解決することも大切ですが、痛くなったらコンクリートの上を走る、球技であれば走るメニューのみ避けると回復しやすいです。
- ジャンプが飛べなくなる(HOP TEST)とパフォーマンス低下であり、休むタイミングです。
症状・確認の仕方
軽症:運動後の痛み
中等症:運動中の痛み
重症:起床時及び日常生活での痛み
重症度評価
- 圧痛の幅、長さ
- ジャンプ、ステップが可能かどうか、または痛みを伴うか
と区分できます。
すねの痛みの出ている部分を押すと圧痛があります。
圧痛の長さが広範囲にある場合のほうが、
鑑別が必要である疲労骨折とは異なる可能性が高いので少し安心です。
すねの痛みで重症度としてはMAXになるのが疲労骨折(脛骨)になります。
原因は?
シンスプリントを発症する原因は色々あります。
- 練習量が多すぎる
- 運動を新しく始めて間もない
- コンクリートなどの地面が硬いところを走る
- 筋肉の柔軟性が低い
- 靴底の内側がすり減ってきている
- フォームを変えた
- 体がうまく使えていない
- 扁平足
- 栄養不足
などなど。
繰り返しになりますが、女性が圧倒的に多いです。
恒常的に発生する人は、栄養面でもタンパク質・鉄分不足は予測されます。
運動して追い込んだ体には修復にタンパク質、鉄が必要になってきますので、
生理的に鉄が不足しやすい女性は余計に摂取する必要があります。
診断・評価方法
診断方法は疼痛・圧痛の場所で当てはつけれるのですが、
疲労骨折との鑑別になりますとレントゲン、MRI検査が必要になります。
図のようにMRIで骨膜周囲の炎症反応を確認し、
シンスプリント症状の有無を確認します。
詳細に評価すると骨膜周囲の炎症反応の範囲、
骨髄内信号の範囲で重症度評価も可能です。
評価方は色々と散見されますが、
私は骨髄内信号の強さと骨周囲の炎症範囲が脛骨前縁のみ、
もしくは後面まで及んでいるかを評価としています。
ちなみに
- 信号が脛骨前縁のみ:軽症
- 信号が脛骨後縁まで:中等症
- 信号が脛骨後縁まで+部分的骨髄内信号あり:重症
という評価を私はしています。
予防・治療
シンスプリントの予防・回復に下腿三頭筋(腓腹筋、ヒラメ筋)の柔軟性を高めることは簡単で有効です。
柔軟性は大腿部も含めて最低限あった方が良いです。
回内足、扁平足など機能的な問題が原因ともなりますが、
自身で対策するのは難しい部分がありますので割愛。
※後脛骨筋エクササイズ、タオルギャザーなどは有効
後日掲載しますが、気になる方はネットで検索を。
ちなみに臀筋などがうまく活動できるように、
機能を高めることも大切です。
まとめ
- シンスプリントになる人は脛骨疲労骨折を発症する方も多いので注意。疲労骨折は無理すると完全骨折に至ります。
- 機能的な問題を解決することも大切ですが、痛くなったらコンクリートの上を走る、球技であれば走るメニューのみ避けると回復しやすいです。
- ジャンプが飛べなくなる(HOP TEST)とパフォーマンス低下であり、休むタイミングです。
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