踵骨疲労骨折

意外と多い踵の疲労骨折です。

本疾患は学生でも発症しますし、
成人の方が職場環境、運動環境が変わって、
運動量が急激に増加した際にも確認されます。

何かしらの理由で走るようになって、
1週間で疲労骨折に至ることは決して珍しくありません。

 

症例1

 

35歳男性

転職して配達業務に。
仕事では階段の上り下りが頻回あり、
前職はデスクワーク。

運動もあまりしない。

転職して2週間経って、
動き回るせいか踵周囲に疼痛が出現。
転職したばかりで我慢していたが、
疼痛が強く足を引きずるようになり受診される。

初期ではレントゲン評価では何も変化を認めないことが多いです。
そのため、初期はレントゲン検査では評価ができないのです。

それが何をもたらすかというと「誤診」です。

ですので、エピソードから本疾患を前提に進めることが何より大切であり、
それを前提に診察、評価していかなければ発見することは困難です。

偶然にレントゲンで撮影で写り込んだ骨硬化像(骨の修復像)で、
見つかることはあるかもしれませんが、
その倍以上に見逃している可能性が出てしまいます。

 

MRI

MRI画像では周囲の骨の色と異なっているのがわかるかと思います。
「白」及び「黒」で光っているところが出血・炎症を示し、
疲労骨折を示唆する画像になります。

線のように見えるのが骨折線です。

初期ではこのようにMRI評価でなければ判断が困難であり、
検査が困難であれば、症状から疑い休ませる必要性があります。

 

レントゲン

 

MRI検査をしない場合は、
3週間〜4週間で踵骨の骨折部に骨硬化像が確認されますので、
それを確認することで評価は可能になります。

骨折の形態は様々ですので、
さまざまな圧痛のタイプが有ることを把握しておくことが必要です。

骨硬化像も骨折線に伴い描出の仕方が異なりますので、
注意してレントゲン画像を確認する必要があります。

 

方針

 

6週間〜8週間で運動復帰は可能だと感じます。
仕事も含めて。
4週間もあれば症状は消失していきます。
再発することも経験はないので、
フォローはそこまで難しい疾患ではない認識です。

参考にしてください。

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