4月になりました。
新しい環境での運動活動、社会人活動が始まった方も多いかと思います。
例年のことになりますが、4月、5月は疲労骨折が非常に多い時期となります。
中学生になり、部活動で急激に運動量が増えた。
高校生になり、走り込みの量が増えた。
新しい職場になり、運送業、配達業であれば走る、階段昇降が増えた。
警察・消防隊の方も激しいトレーニングが始まったなど。
学生は男女でトレーニング負荷が異なることが多いですが、
警察官の方などは男女でトレーニング量が変わらないことも多いため、
疲労骨折も多い印象があります。
恥骨下枝疲労骨折
鼠蹊部痛には股関節炎、腸腰筋の肉離れ、Groin pain 症候群など、
多くの疾患がありますが、
今回は恥骨下肢の疲労骨折について解説します。
鑑別方法
ポイントは
Noakesの 3徴というのがありまして、
●ランニング障害になるような鼠径部痛
●患側での片脚立位時の鼠径部痛 (positive standing sign)
●恥骨下枝の圧痛
ですね。
女性に多い感覚はあります。
画像診断
レントゲンでは発症から画像で捉えるのに時間を要するので、
早期発見はMRIが有効です。
他の疲労骨折と同様で、
骨髄反応と骨周囲の炎症反応を確認します。
経過はレントゲンでの骨硬化及び仮骨形成を確認し、
理学所見含めて総合的に運動復帰の案内となります。
治療方針
スポーツ活動の中止で改善は可能です。
どれくらい休養が必要なのかは、
私は約2ヶ月としてます。
骨盤周りの疲労骨折は、
症状が再燃することも多く、
安全にいくなら2ヶ月程あれば基本的には良いと思います。
あとは症状などで調整は必要ですが。
早すぎると再燃します。
段階的に運動負荷をかけて、
疼痛悪化が出現しないかを確認していくことも大切だと思います。
まとめ
女性で多い恥骨下枝の疲労骨折ですが、
疾患を知っておかないと疑うことはできません。
groin pain症候群と思って対応していると、
回復しない可能性がありますので、
診断評価と運動中止の判断が重要です。
画像検査設備がない場合は、
各種テストを行った上で、
最終的に圧痛で判断してもらえると良いかと思います。
必ず左右差はみてください
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