有痛性外脛骨
部活動に1人はいるんじゃないかという足部の疼痛が出る疾患である
有痛性外脛骨について簡単にまとめてみました。
難しいことは置いといて、
一般の人でもわかる表現で伝えていければと思います。
まず、外脛骨とは足の内側にある、
過剰骨もしくは種子骨と言われているものです。
小、中学生に多く、
外傷なく足部を痛がることも多いです。
ポイント
- 10歳から15歳
- 運動している選手
- 2%の確率で発症
- 基本、手術は不要
どこで起こる?
緑の丸で印をつけた部分で発症します。
内くるぶしの斜め下ですね
なぜ、そこで痛みが生じるか?
外脛骨にはタイプ Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ があります。
veitch分類と言われます。
小さい骨が離れているタイプⅠ
大きな骨が離れているタイプⅡ
骨自体が大きいタイプⅢ
疼痛が出やすいのはタイプIIになります。
立体的にするとこんな感じ
後脛骨筋腱というのが外脛骨部分に付着しており、
この筋肉、
足部が外反している人に生じやすいと言われており、
それ以外でも外脛骨部が突出していることから、
もっと言うと、
捻挫に伴い痛みが出現するパターンもあります。
それぞれ、治療法は異なってきます。
対象者
年齢は10歳〜15歳で発症します。
運動選手が中心であり、
運動していない子供ではほとんど発症しません。
外脛骨自体は20%程度の子供が持っているのですが、
痛みを伴う状態になるのは全体の2%程度とのことです。
疼痛が出ても安静にすれば改善します。
ただ、接触性のものは物理的な回避が必要です。
また、捻挫に伴う外脛骨障害は、
痛みが強く、長引く傾向があります。
初期は固定して鎮痛効果を狙うのが良いでしょう。
症状を繰り返す
成長期の期間は発症して2週間ほどで落ち着く方も多いです。
一方で時間が経てば症状が再燃する選手も多いです。
機能的問題も背景にはあるのですが、
根本は外脛骨があるからです。
ということで、成長期が落ち着けば、
外脛骨症状は出現しなくなることがほとんどです。
ですから、繰り返すので手術をした方が良いですか?
の回答は「成長期には必要なし」で間違いないです。
一方で、
成長期が終わった後に、
まだ疼痛が続いており、
スポーツパフォーマンスに影響している選手もいます。
その際は、手術加療をするケースがあります。
なお、成長期でもなかなか痛みが引かないケースでは、
ステロイド注射なども有効という報告もあり、
実際に効果がある症例も診ています。
しかし、ほとんどはそこまでしなくても治りますので、
それほど心配しなくても良いです。
大会間近の症状悪化の際の対処法として知っておく分には良いかもしれません。
ということで、有痛性外脛骨の基本をまとめました。
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