恥骨骨折、仙骨骨折(骨盤骨折)【高齢者の転倒で注意】

医療

高齢者の骨盤骨折(恥骨骨折、仙骨骨折)

 

高齢者の転倒は頻繁に遭遇しまよね。

今回は転倒の際に注意しなければならないことです。

 

高齢者の転倒に関しては身内、親戚でも聞く話ですし、

医療・介護従事者になれば、かなりの数と遭遇します。

 

もっとも有名なのは脊椎の圧迫骨折という疾患で、

背骨が潰れてしまう疾患です。

 

圧迫骨折
圧迫骨折 「いつのまにか骨折」と言われて認知されている脊椎の骨折です。 高齢者が尻もち、転倒で発症することが多いですが、 特にエピソードがなくても骨折していることがあるので 「いつのまにか骨折」と言われております。 物を持つだけでも骨折して...

 

あとは大腿骨の頸部骨折です。

これも発症してしまうと原則は手術適応であり、

5年生存率が20%程まで低下してしまう、大変な骨折になります。

 

なお、5年生存率が急激に下がるのは、

骨折に伴いADL(日常生活動作)が大きく低下に伴い、

体力、活動力がどんどん低くなっていくことによる衰弱です。

 

上記の2疾患がメジャーになりますので、どうしてもそこだけに注目しがちなんですが、

やはり落とし穴はあって骨盤の骨折が隠れていることがあります。

 

恥骨・仙骨骨折の症状

 

転倒した後から歩行困難になる、歩行時の疼痛が強くなる、

股関節は動かしてもあまり痛くないという症状が多いです。

 

股関節は内旋、外旋で確認すると良いでしょう。

頸部骨折があれば、これで疑うことができます。

痛みの訴えが確実に出ますので。

 

脊椎圧迫骨折との鑑別は難しいですが、

疼痛場所が骨盤部を痛がったり、疼痛部位がはっきりしないのが特徴とも言えます。

 

骨盤骨折は圧痛での確認がどうしても難しくなるので、

荷重時(歩行、立ち上がり)に疼痛が強くなるのかを確認することが、より確実になると思います。

 

この画像が恥骨骨折の画像になります。

 

 

黄色い矢印が骨折部になっています。

これはわかりやすい骨折の画像ですが、

実際は高齢者の転倒ではもっと小さい骨折がほとんどになります。

 

CT画像になりますがこのような感じになります。

 

 

 

矢印の部分が骨折部分ですが、

レントゲンでもなかなかわからないような骨折線だったりします。

だから、小さい医療機関でレントゲン撮影しても見逃されたりするわけです。

 

CTとかMRIでなければ、判断ができないことも多いということですね。

 

ですので、

高齢者fが転倒、尻もちをついてしまった際に、

体重かけたときの痛みが強い、

歩けなくなってしまった場合では、

圧迫骨折、大腿骨頸部骨折と

骨盤骨折(恥骨、坐骨、仙骨)を疑っていかなければなりません。

 

場合によっては「医者が大丈夫だって言ってるよ!」

と家族の当たりが強くなることもあり、

あまり幸せじゃない結果になることもありますので。。。

 

 

 

 

 

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