単純性股関節炎
改めて各地域でコロナによる緊急事態宣言が発令されましたが、高齢者の方はコロナでの重症化リスクが高いので注意してくださいね。
今回の単純性股関節炎は8歳くらいまでに発症する疾患です。本疾患のポイントは子供が急に歩かなくなるということ。もしくは跛行(足をひきずる)を呈するということです。
初めて遭遇したときは、焦ってしまい
「何!?大丈夫??」
とちょっとしたパニックになることも珍しくありません。
医療従事者であっても、経験がなければわからないこともあるでしょう。
一方で単純性股関節炎は珍しいことでなく、月に何人も医療機関に受診される疾患です。
原因
はっきりとしたものは判明していないです。
○ウィルス性
○使いすぎ
○アレルギー性
などが原因としては言われています。
症状
膝が痛い
太腿が痛い
股関節が痛い
たまに足関節が痛い
など、痛みを感じる場所は様々です。
これが本疾患の特徴であり、
子供たちは股関節を痛がるわけではないということです。
ですので、それを理解しておかないと簡単に見逃してしまいます。
単純性股関節炎を見逃さない上でもっとも重要なことかもしれません。
所見
急に歩かなくなる単純性股関節炎ですが、
どこが痛いかを確認が必要です。
①仰向けに寝かせる
②股関節を屈曲する
(太ももを胸まで曲げていく)
③股関節内・外旋する
疼痛が出現する。
股関節をこのように動かすと嫌がる、できない
という場合は股関節に原因がある可能性が高いです。
10歳以下で外傷なく、
股関節部分にこのようなテストで陽性(症状が出る)がでるときは、
股関節の関節内での炎症と考えてよいでしょう。
鑑別
10歳以下での股関節痛では鑑別が必ず必要です。
大きく3種類ありまして、
①単純性股関節炎
②大腿骨頭すべり症
③ペルテス病
以上が鑑別すべき疾患です。
②③は発見され次第、装具療法及び手術療法など早期対応が求められ、
発見が遅くなると病態が進行するため、
見逃してしまうと患者さんに不利益を被る可能性があります。
とはいえ、よく観察しなければ発見できません。
で、その方法ですが、
鑑別に関しては進行している状態であれば、
②大腿骨頭すべり症
③ペルテス病
ともにレントゲン画像で確認できます。
早期のペルテス病ですと、MRI検査でなければ発見が難しいです。
画像検査で診断に至るわけですが、
経験を積んでいくと嫌な感じというのが、
症状、エピソードから感じ取ることができます。
では、そのときのポイントを列挙します。
鑑別ポイント
①症状が1週間以上に及ぶ
②歩けるが、引きずっている(破行)
③股関節屈曲を嫌がる(痛がる、まっすぐ曲げれない)
これが揃えば大いに疑ってください。
特に大事なのは①です
②も親ですら「なんかおかしいな」くらいの感じのケースも多いので、
歩き方がおかしいのが1週間続いたら注意です。
病院に行って大丈夫と言われた!!
と安心もしないほうが良いです。
見逃されやすいですので、
経過で再度診察を受けたり、
必要なら大きい医療機関を受診ください。
まとめ
10歳までの子供に多い股関節痛です。
単純性股関節炎、ペルテス病、大腿骨頭すべり症は歩けない、歩き方がおかしい期間が大切です。
発見が遅くなると大事に至りますので、気をつけてください。
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