リトルリーガーズショルダーとは
小学生のオーバーハンドスポーツ(肩より手を上げて行うスポーツ)に多く見られ、
野球選手に圧倒的に多い病態です。
成長期特有の疾患であり、上腕骨の成長線(骨端線)に繰り返しのストレスが生じることで発症します。疼痛で力も入らなくなるのでパフォーマンス低下も起こり、
休息を取らなければ改善することなく悪化していく疾患となります。
エピソード
10歳 野球 ピッチャー
週6回の練習があり、半年前からピッチャーにポジション変更。
2週間前より投球時に肩の痛みが出現して、まともに投球ができなくなってきている。
整骨院で加療するも症状に改善なく、困っている。
このような感じで受診される方も多いです。
評価
①圧痛
②徒手検査
①圧痛は骨端腺部にあります。
しっかりと触診して確認してください。
画像でも上腕骨の骨端線がありますね。骨頭付近のところです。
②徒手検査
抵抗テストで確認します。前腕回内位、前腕回外位での肩関節挙上での抵抗テスト、肩関節外旋、内旋抵抗テストなどを行い、特定の筋肉以外でも疼痛誘発、及び筋出力低下が生じていれば陽性とします。
※各種筋肉に抵抗テストをしても大きな差はなく、すべてのテストで陽性所見が出ることは骨由来の疼痛と考えてよいでしょう。
画像評価
画像所見はステージ分類がありますが、大切なことは左右差があることです。
上腕骨の成長線が離開していることがわかりますかね?
矢印で示されているのが患部にあたります。
骨端線部が開いております。
診断評価
画像所見と理学所見がマッチした場合、
リトルリーガーズショルダーとなります。
画像だけで確定するのは非常に不味いです。
なぜなら、オーバーハンドスポーツの選手は左右差が画像上確認できるからです。
「理学所見がありき」ということを知っておいてください。
保存的治療
所見がとれるまで安静にしてください。
正確には上半身に負荷をかけないでください。
ランニングなどは問題ありません。
サッカーなどもよいでしょう。
なんせ、ボールを投げない。バッティングを控える。
ということの徹底です。
症状が改善したら徐々に開始してください。
運動しながらは必ず症状消失までの期間が長くなります。
早く治せると評判な治療院があれば、
そもそもリトルリーガーズショルダーではなかったと思って頂ければ、
良いのではないでしょうか。
偉そうな言い方ですが、
そんな気がします。
そんな可能性があります。
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