膝蓋骨脱臼の評価方法

膝蓋骨脱臼

 

女性に多い膝蓋骨脱臼について今回はまとめております。

ほとんどのケースでは脱臼が整復された状態で受診されるのが本疾患の特徴ですね。

 

逆に考えると、脱臼が戻った状態でう受診されるので、

見逃されることも少なくありません。

 

発生機序は膝を捻った、膝を着いたなどがほとんどです。

膝がガクッとなったというエピソードは要注意です。

 

ちなみに膝がガクッとなったとなれば

 

  1. 前十字靭帯損傷
  2. 半月板損傷
  3. 膝蓋骨脱臼
  4. 離断性骨軟骨炎

 

などを頭に入れておくことが必要ですよね。

 

理学所見

 

患者は外傷に伴って受傷しますので、

まずはどこが痛いのかを教えて頂かなければなりません。

 

ただ、関節内の出血も伴いますので、

膝全体が痛いと訴えるため、

ハッキリとしないことも多いです。

 

そこで、圧痛箇所を確認することが必要になるのですが、

膝蓋骨脱臼は膝蓋大腿内側靭帯(MPFL)損傷を伴いますので、

膝蓋骨内側の圧痛が必発します。

 

 

他にも可動域制限なども出現しますが、

疾患鑑別で重要なのは圧痛のポイントであると考えています。

 

レントゲン評価

 

脱臼後であれば、レントゲンでも明らかな異常は認めにくいです。

ただ、MPFL損傷を伴うため膝蓋骨の外側偏位は確認できます。

 

上記のレントゲンは新鮮例ですが、

膝蓋骨が外側に偏位していることがわかります。

大腿骨と膝蓋骨は重なるように映るのが通常ですが、

外側に変異しているため半分以上が大腿骨から突出しています。

 

下の画像が側面

 

膝蓋骨が少し分厚く見えている状態です。

外側偏位に伴い、レントゲンでは分厚くみえます。

 

ただ、亜脱臼(整復された状態)でのレントゲン評価は、

疑うことはできますが、確定としては少し厳しいので、

検査が可能な環境であればMRI検査が有用です。

 

MRI評価

 

MRIのポイントは

どこに骨挫傷(bone bruise)があるかです。

 

 

 

上記の画像のように、

大腿骨外側に骨挫傷があれば要注意です。

 

また、下記の画像で更に骨挫傷の場所を把握します。

 

 

MPFLを確認するのも大切ですが、

骨挫傷の位置で検討付きます。

膝蓋骨と大腿骨が脱臼時に接触して骨挫傷を起こすのですが、

膝蓋骨には骨挫傷所見が出ないこともありますので、

注意が必要です。

 

まとめ

 

受傷起点から膝蓋骨脱臼を疑うことは大切であり、

女性であれば発症も多いので注意を要します。

 

  • 膝を捻った
  • 腫れがある
  • 跛行がある
  • 膝蓋骨内側に圧痛を認める
  • 過去に脱臼の既往がある
  • 全身弛緩性がある
  • 膝が過伸展する
  • 関節内血腫

 

などの状態、状況を把握して、

疾患を見逃さないようにすることが大切です。

 

膝蓋骨脱臼は再発リスクがありますので、

初回で適切な判断をして、

情報をしっかりと伝えておくことが、

選手本人にとって有益です。

 

 

 

 

 

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