小学校3年生から中学生までに発症しやすい疾患がオスグッド病です。
聞いたことがある方も多いかと思います。
膝前面の膝蓋骨(皿)の下方に疼痛が発症します。
オスグッド病の情報はネットで調べると山程情報は出てきます。
それほど身近な疾患であり、
困っている子供たち、心配する親も多いです。
特別に怖い疾患ではないのですが、
後遺症になると手術になることもあります。
ということでポイントをまとめました。
- 成長期のみに発症します
- どんな症状
- 適度な柔軟性は必要か
- 運動を中止した方が良い状態ってどうなの
- 治療方法と予防策
1.成長期のみに発症します
圧倒的に多いのが小学生高学年です。
中学生1、2年生でも発症することがあります。
これは成長期に影響しており、
膝を伸ばす筋肉(大腿四頭筋)が脛の骨(脛骨)を引っ張ることで膝は伸びますが、
付着している骨が成長段階で成長線が閉鎖してませんので、
弱い構造になっています。
ということですので、成長線が残存している時期は骨が炎症を起こしやすいのです。
逆に考えると、
オスグッド部分の成長線が閉じる中学2年生くらいになると、
症状が出ない人がほとんどで病態も回復します。
要するに治ります。
時間も解決するということです。
一方で、中学2年生以上になるとオスグッドの部分より上の膝蓋腱炎という腱が炎症を起こすことが増えます。
場所が変わる感じですね。
2.どんな症状
膝の下が痛くなるのですが、
判断の指標は押した痛みがどこにあるかです。
先ほどの画像を参照にして頂き、
圧痛の場所を確認してください。
ここに圧痛があれば、オスグッド病を疑います。
判断はめちゃくちゃ簡単です。
レントゲンで評価するのは、
骨が剥がれているか、遊離していないかになります。
評価の指標にはなりますが、私はあまり気にしていません。
「骨をひっつけないとダメですか?」
と聞かれることもありますが、
癒合させるには3ヶ月要することもあり、
そこまでして癒合させた方が良いかと聞かれますと、
後遺症の発症率と困り具合からは癒合を絶対的に狙う必要はない
というのが私の考えです。
あとは、選手、家族と相談でしょう。
ちなみに後遺症は
①当たると痛むことがある
②オスグッド部が盛り上がっている(外観の問題)
③運動すると痛いことがある
という感じです。
「③運動すると痛いことがある」に関しては、
アスリートであればパフォーマンスに影響することがあり、
高校生、大学生で骨のかけらを摘出する手術をすることがあります。
ただ、割合は低いため「後遺症が残ってから考える」
でも良いかとは個人的に考えます。
3.適度な柔軟性は必要か
柔軟性は最低限必要になります。
うつ伏せになって、膝を曲げると臀部に踵が着くでしょうか?
これが「スッと」できる人は大腿四頭筋の柔軟性は問題ありません。
硬くて臀部に踵がつかない子共はかなり硬いので、
柔軟性を獲得した方が良いでしょう。
4.運動を中止した方が良い状態ってどうなの
「痛ければ運動を中止にする」
病院でも言われることが多いのがこの回答でしょうが、
間違いなく治す上では効果的です。
ただ、休まず運動したいし、治したい!
と思っている方も多いですよね。
そこで大切な指標はパフォーマンスになります。
ここでいうパフォーマンスとは、
本来よりも運動強度(レベル)が低下していないかどうか!?
ということです。
ダッシュができない、強いキックができない、
ステップが遅くなる・・・などなど
疼痛に伴い本来の動きができなくなっているのであれば、運動中止のタイミングです。
運動をしていないときに評価するのであれば、
大腿四頭筋の柔軟で疼痛を確認しても良いですし、
片足でのスクワット動作をさせてみて負荷をかけてみてください。
- ストレッチ程度で疼痛が出る
- 片足でのスクワットが痛くて深く曲げれない(膝90度)
という状況であればパフォーマンスが発揮できることはないので、
運動中止がベストであると考えています。
5.治療方法と予防策
治療方法は整形外科、整骨院、治療院と様々な方法がありますので、
これ!というのは微妙なんですが、
先ほども伝えたように根本としては休めば治ります。
休まなくても痛みはいつか取れます。(99%)
取れなくて後遺症になったら手術したら良いという割切りはあっても良いかなと思います。
とはいえ、
予防できるならしたいですよね。
ただ、子共なんで自身で理解して、恒常的にケアを続けることは8割以上の方で困難です。
だから、簡単で継続可能なことは柔軟性が低ければストレッチ!
太腿(ふともも)の前と後ろの柔軟性獲得
※大腿直筋とハムストリング
これがシンプルに大切です。
あとは運動重心、股関節の使い方、体の安定性などなど
予防として改善すべきポイントはありますが、
そこは治療院で指導を受けるのが良いかもしれません。
ステップなど膝屈曲時での捻り動作などもオスグッド病は要因と考えられてますので、
スクワット動作をしていくと膝が内側に入る(内股状態?膝が内側に向いてしまう)などは改善した方が良いでしょう。
臀部のトレーニングで安定させることも必要かもしれません。
まとめ
ということでオスグッド病についてまとめました。
ポイント
- 成長期特有の疾患
- 手術になる可能性は低い
- 柔軟性は少なくとも大切
- 99%治ります
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