石灰沈着性腱板炎
40代、50代の方が急に方が上がらなくなり、
激痛が出現した場合にもっとも疑うべき疾患です。
稀に20代、30代でも発症します。
石灰沈着自体は指でも、足、膝など様々なところで発症します。
もっとも多いのが肩での発症です。
なんせ、急に肩が上がらなくなります。
ポイント
- 肩は20度ほどしか上げれなくなる
- じっとしていても疼くほど痛い
- 押すと激痛が出る圧痛ポイントがある
石灰沈着の原因
石灰は腱に発生するのですが、
日本整形外科学会でも、最初は濃厚のミルク状の物質が時間と共に、
練り歯磨き状、石膏状へと硬くなっていくとされており、
この硬くなった物質が「腱板」を突き破り「滑液包」という袋の内部に侵入すると
激痛が発生すると報告がされています。
とはいえ、
90%以上は激痛が発生する約1週間だけの問題であり、
その期間さえ過ぎ去れば、
なかったことのように症状は落ち着きます。
なぜ、石灰が出現するかは正確には良くわかっておらず
「不明」です。
ですので、
逆側の肩に時間差で発症することもあります。
症状
石灰沈着の症状は
- 急性発症(急に発症する)
- 圧痛が明らかにある
- 肩が上がらない
の大きく3つです。
医療従事者の方々へのアドバイスになると、
発症部位によっては圧痛明らかではないこともあり、
感染症のリスクもあり、
熱感、発赤なども評価が重要です。
ただ、上記が揃えばほとんどは石灰沈着ですので、
一般の方は症状だけ知っておけば大丈夫。
評価
レントゲン検査で確定できます。
圧痛部位に石灰沈着があるか否かです
画像のようにカルシウムが沈着している画像が出てきますので、
この画像と症状が一致すれば石灰沈着性腱板炎と病名がつきます。
結構、簡単に診断可能で症状でかなり予測できるので、
画像で念のために確認というレベルの疾患です。
痛みが強い割には評価が簡単な疾患と言えるでしょう。
治療方針
治療も簡単で、
ぶっちゃけた話、痛み止めを飲んでいるだけで、
1週間で症状は8割治ります。
短期間で症状改善を望むなら注射です。
ステロイド系統の注射を局所に打つことで、
痛みがかなり緩和されて、
注射後から肩を上げることが可能になることも稀ではありません。
治療院などでも対処法はありますが、
要は安静を保てば、
1週間を凌げば治ります。
下手に患部を触ったり痛みを出すような刺激を与える治療は最悪で、
診断、評価が大切な疾患と言えるでしょう。
ある意味、治療院の腕が試されるような疾患ですね。。。
まとめ
石灰沈着性腱板炎は臨床ではかなり多く、
頻繁に遭遇する疾患です。
特徴は
- 外傷がない
- 急に肩が上がらない
- 押したらめちゃくちゃ痛い
です。
痛み止め飲んだ方が楽なんで、
「あっ、石灰かな!?」
と思ったら、
整形外科で痛み止めをもらうか、
注射を打ってもらうことを勧めます。
ちなみに注射は痛い注射BEST3に入るほど痛いので、
覚悟はしてください苦笑
ということで、石灰の話でした。
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