膝蓋前滑液包損傷
- 気付いたら膝が腫れてる
- 当たると痛い
- 腫れてる割には痛みはない
これが膝蓋前滑液包損傷です。
基本的に発症は仕事やスポーツで膝を接触させる際に起こります。
膝前面を強く接触させることで、滑液包という袋が破けてしまいます。
そうすると出血し、腫れが出現します。
画像は膝を横から見ている画像です。
PATELLA(膝蓋骨)というのが膝の皿になりますが、
その斜め下(画像でいうと右斜め上)に見える黒い塊が滑液包の水になります。
実際に患者をみると膝の前が腫れているように見えます。
滑液包というのは、
腱または筋が骨の上を通る際に運動の摩擦を少なくするために、 粘りのある滑液を含んだ袋です。
滑液包は、 肩・肘・股・膝・踵などの関節部分にはほとんどあります。
そのため、ぶつけやすい膝、肘などは発症しやすい部位と言えます。
実際の臨床でも膝、肘、足関節が多いですね。
外傷がないもので滑液包炎というものもあります。
判断基準は?
- エピソード
- 症状
- 画像
の3つで評価は可能です。
1.エピソード
ぶつける、繰り返し接触するストーリーがあるか
2.症状
関節ではなく、膝の前が腫れているかどうか
曲げ伸ばしは問題なく可能であり、
接触時のみ疼痛が出ます。
3.画像
エコーやMRIで滑液包部分での腫れが出ているかどうか
膝の前が画像のように白く水が溜まっているのが滑液包炎です。
関節の中で腫れているわけではないのがポイントです。
治療方針
率直に放置で95%治ります。
ぶつけるなどの刺激は与えないのが治療とも言えます。
接触などの刺激は治癒を遅らせる要因となります。
2ヶ月ほどで改善すると思ってください。
意外と長いですが。。。
このように液が貯留すると感染症を発症する場合がありますので、
発赤、熱感には注意が必要です。
感染症の症状が出てきたら、
抗生物質などを内服していただく方が良いです。
液って抜いたらどうなるの?
たまに液を抜いてほしいという要望があります。
注射器で抜くことは可能であり、
外傷に伴うものは赤く出血によるものが多いです。
ただ、抜いても再度腫れてくることがほとんどですので、
効果的には高いものではないと思います。
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