骨挫傷
強い力でボキッと骨が折れるのを完全骨折
いわゆる少しヒビが入った状態を不全骨折(不完全骨折)
骨内部で内出血が生じた状態を骨挫傷
という認識で一般の方は良いかと思います。
患者さんに説明する際に「骨挫傷」は頻発するキーワードですが、
一般的に認知度が低いため伝わりにく病態です。
その割には頻度が多いのは、
整形外科でMRI検査が簡易的に受けれるようになったことで、
病態の発見頻度が高まったということが言えるでしょう。
なお、骨挫傷の説明を簡単にすると
筋肉の打撲・ダメージ→筋挫傷
骨の打撲・ダメージ →骨挫傷
ということです。
例えば
サッカーの試合で選手同士が接触。
膝同士が接触しました。
プレイの続行も不可能でした。
というケース。
痛みがシビアなら骨挫傷のケースがめちゃくちゃ多いです。
あまり脂肪がないところで、強い外力受けると骨挫傷なりがちです。
ちなみに前十字靭帯断裂などの怪我でも、
骨挫傷というのが9割以上の確率で出現します。
診断評価に有効な画像所見になります。
レントゲン撮ってもらったけど、大丈夫って言われました。
こんなことよくあるかもしれませんが、
骨挫傷はレントゲンでは評価できないのも特徴です。
骨折とは異なるのです。
骨折は主に骨の輪郭部分に亀裂を生じることであり、
レントゲンで確認することは可能です。
骨挫傷は骨の輪郭にあたる骨皮質の形は崩れないので、
レントゲンには反映されないのです。
だから、整形外科でレントゲンで問題ないと言われたけど、
打撲の割には症状が長いなーー。。。というときは骨挫傷を疑わなければなりません。
画像で見るとこんな感じです。
骨が一部白くなっているところが、
骨挫傷になっているところです。
上の骨(大腿骨)の向かって右側です。
この撮影方法だと骨の中が白くなってます。
こんな感じでMRIで視覚的に見ることができます。
レントゲンでは見えないのです。
治療
治し方は特別なことを必要としないで、
3週間の時間経過で改善すると思ってください。
骨折では無いので、固定の必要はありません。
運動に関しては日常動作で支障がなければ、
徐々に運動開始してよいタイミングと考えてください。
なお、骨挫傷が発生する体の場所は、骨があるところであればどこでも可能性はありますが、
膝周囲が圧倒的に多く、次に手関節、足関節、肘が多いです。
ちなみに外傷なく骨が腫れる疾患を骨髄浮腫といって、
疲労骨折までは至ってないけど、骨が腫れている状態と認識してください。
まとめ
- 強い力でボキッと骨が折れるのを完全骨折
- いわゆる少しヒビが入った状態を不全骨折(不完全骨折)
- 骨内部で内出血が生じた状態を骨挫傷
骨挫傷は固定などの治療は不要であり、
約3週間で疼痛が消失します。
評価はレントゲンでは不可能で、
MRIで評価になります。
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