有痛性分裂膝蓋骨
膝蓋骨っていう「いわゆる膝の皿」が痛みの原因になる話です。
有痛性分裂膝蓋骨というのは、学生にしか原則起こりません。
膝蓋骨というのは、
膝の前の丸い骨ですね。具体的に骨で見ると
赤く色を着色した部分です。
これが膝蓋骨という皿の骨になります。
膝蓋骨周囲のトラブルは多くて、
まとめて
「Anterior knee pain」(アンテリオル ニー ペイン)
と総称されることもあります。
で、今回の有痛性分裂膝蓋骨というのは、
学生にしか起こらない疾患です。
大人では起こりません。
実際のレントゲン画像はこんな感じです。
膝蓋骨に亀裂が入っているのがわかりますかねー?
見慣れないとわからないかもしれません。
これがCT画像で3Dにした画像です。
膝蓋骨の向かって左上に亀裂が入って分裂している感じがわかりやすいかと思います。
これを輪切りにして上から見た画像がこちら!
向かって左側の膝の膝蓋骨が2つに分かれているように見えます。
見慣れるとレントゲンだけでも分裂しているのが、
すぐにわかるようになります。
症状
病院に受診するときは原因なく膝が痛くなった人が8割です。
残り2割は分裂部をぶつけて痛みが出現する人がいます。
原因なく痛みが出た人たちは、
重症度で治療方針が変わります。
3段階に分けれて、軽症・中等症・重症です。
詳細は置いといて、簡単に分けると、
うつ伏せで膝を曲げていくストレッチ動作で痛みが出れば、
中等症以上です。
その場合は運動を中止した方が治りは早いです。
太腿の前の筋肉(大腿四頭筋)に負担をかけると痛みは出ますので、
スクワット動作や短いダッシュなどの負荷は痛みを助長します。
痛みが強いのは炎症の強さでもあります。
痛みが強いと力も弱くなるので、
パワーも落ちて、スポーツパフォーマンスも低下します。
病態・発症
分裂している子供は分裂部が動揺したりして、
痛みが出やすい環境になってます。
繰り返しの負荷がかかると痛みとして異常が出ます。
だから、ストレッチなどで大腿四頭筋に柔軟性を出すことは大切になります。
一方で、プレースタイルや練習の頻度などでも発症する人、しない人は分かれます。
治療・予防
柔軟性を出すストレッチは大切です。
スクワット動作で膝に捻れストレスが加わると、原因にもなるので、
正しい動作を覚えることも対策になります。
これは近くの治療院などで相談すると良いでしょう。
体幹を鍛えて、柔軟性をだすと悪いことはないですし、
小学生なら負荷がかかり過ぎている可能性があります。
運動の頻度が少ない人では基本的には起こりませんので、
骨が成熟する前に負担をかけすぎた代償かもしれません。
まとめ
分裂膝蓋骨は
「有痛性分裂膝蓋骨」が正式な病名であり、
レントゲンでたまたま分裂膝蓋骨が見つかっても痛みの原因でなければ、
「有痛性」ではないので放置で良いです。
結構、医療機関でも誤診されますが、
接触に伴う場合、痛みが違うところにある場合、疲労骨折とは別!
など落とし穴が色々あって、
専門医、経験豊富・勉強熱心な治療家でなければ、
意外と適当なこと言われますので注意してください。
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