診断学の基本
整形外科での医師が
何を診ていて
何を判断している
という、もっとも初歩的ですが、
もっとも重要なことを書いてみます。
診断学と名前は難しいですが、
何が原因?と探求するだけです。
そして、その意味合いも広義であり、
私の中では
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手術が必要か
-
薬が効果的か
-
緊急性があるか
というレベルの部分を評価するのが、
一般的に使われている診断学になるのかと、
整形分野では感じてます。
では早速、素人でも評価できる診断学のポイントを書いてみます。
1 どこが痛いか
当然ですが、どこを痛がっているかを確認します。
首、背中、腰、膝、手など痛みの訴えです。
また、複数箇所であれば、
どの順番に痛みが出現したのかもヒアリングします。
- 最初に痛がった場所をかばって痛くなったのか、
- 複数が痛くなる病態なのか
を見極めるためです。
2 なんで痛くなったのか
痛みに関しては大きく
- 外傷がある場合
- 外傷がない場合
の2つに分かれます。
要するにぶつけたか、捻ったなどの外力が加わったのか、
自然と生活の中で痛くなったのか?
という部分です。
これも話が全く変わってきますので超重要です
3 安静時でも痛いのか
患者さんも腰痛、背部痛でも、
内臓疾患が隠れているのではないかと、
心配してこられることが多いです。
内臓疾患由来の痛みであれば、ほとんどは動きに関係なく痛みが出ます。
ですので、安静にしていても痛みが出ることが多いのです。
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夜寝ていても目が覚める
-
安静時に痛む
-
周期的に痛みがくる
などのキーワードがありますので、
安静時の痛みがある場合は注意が必要です。
4 患部が赤く、熱を持っていないか
外傷がなく、患部が熱をもち、赤くなってきた場合は要注意です。
感染症や痛風発作を念頭に入れて診察をしなくてはなりません。
だから、患部を目で確認することは非常に大切ですし、
直接手で確認することも重要になります。
周りの人が痛みを訴えた場合は、
まずは患部を確認して熱、赤みが出ていないかを確認するだけでも、
早めの判断の指標となると思います。
5 疼痛がシビアか
ぶっちゃけるともっとも大事な評価と考えています。
痛みは本人にしか、わかりません。
多くの患者さんを診ていても、
凄く症状がシビアそうな訴えの時は何か隠れている可能性が非常に高くなります。
- 歩き方が明らかにおかしい
- 力が入ってない
- いかにも苦しそう
- 痛みで機嫌が悪い
こんな感じの時は注意を払って評価します。
痛みの感じ方の違いを「域値」と言いますが、
域値は個人でかなり差があります。
些細なことで非常に痛がる方もいますし、
我慢強い方もいます。
親が
「この子はあまり痛がらないんですけど、今回の怪我は病院行きたいというので連れてきました」
とかよく聞きます。
やはり骨折の率は高いです。
私は本人の訴えの仕方はもちろんですが、
普段から一緒にいる人の情報を確認して、
判断要素にしてます。
これ、かなり大切だと思います。
普段との違いは初めて会う私では分からないことがほとんどですので。
ということで
「痛みのシビアさ」
は大切だと思います。
まとめ
難しい評価はいろいろありますが、
もっともシンプルで重要なことはこんなことです。
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どこが痛くて
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なんで痛くて
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どうすると痛い
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熱があるか、赤くなっているか
-
痛みがシビアなのか
治療家の方も参考にして頂きたいですし、
一般の方も指標にしてもらえたら幸いです。
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