腰椎分離症 (学生の腰痛)

腰椎分離症

 

子ども(学生)の腰痛で注意すべきは腰椎分離症ですね。

小学生から高校生の運動選手の腰痛に多いのが腰椎分離症という、腰の疲労骨折です。

「腰でも疲労骨折ってあるんですか?」

 

と聞かれることも多いです。

 

背骨なんで親の方も心配されます。

 

ただ、けっこうな割合であります。

原因はオーバートレーニングと柔軟性の欠如です。

 

ただ、病態を知っておけば、怖くありません。

大切なことは早期発見、早期治療です。

 

問題点は、単純に整形外科に行ったら安心♫

 

となるかといえばそういうわけではなく、

 

  • 検査が充実している
  • スポーツ専門を謳っている医療機関

 

でないと発見することは困難になります。

 

以外と

  • 疲労骨折の一歩手前

などと言われている患者さんが多いです。

 

これ根拠がないので、こういう言葉が分離症疑いで出てきたら、

少し注意が必要です。

 

少なくとも分離症のことはあまり御理解されていないのかもしれません。

 

またはしっかりと検査もしないで

「私は分離症が直せます!」

と徒手的にアプローチしてしまうパターン。

 

これも分離症に関しては勉強不足の可能性がありますので、

NGワードと言えるでしょう。

 

分離症の評価方法

 

腰椎分離症はレントゲンでは評価できませんので、

レントゲンで分離症と言われた場合は注意が必要です。

正確にいうと、古いすでに治しようがない疲労骨折(陳旧性)はレントゲンでも発見できますが、

時すでに遅し。。。

 

古いのを見つけても、治療方法がありません。

 

ですので、早期発見が必要になりますが、

症状からどのように疑うのかが大切です。

 

症状のポイント

  • 2週間以上続く腰痛
  • 伸展時痛・回旋時痛
  • 骨(棘突起)の圧痛
  • 片足ジャンプ動作

 

 

痛みを訴える場所は赤丸のエリアです。

ただ、更に外側を痛がっていても分離症が見るかることもあります。

 

診断方法

 

レントゲン

痛みの原因が分離症由来のものかはわかりません。

MRI

現在の痛みが分離症由来かを判断します

※進行形の疲労骨折の有無

CT

分離症がある場合の骨折度合いを評価できます。

※早期、進行期、終末期の判断

※亀裂の形、隙間度合い

治療方針を考える上で重要なこと

①年齢

②進行度合い

上記2つがポイントです

 

①年齢

 

成長が止まっている段階での分離症は、リスクである「すべり症」に発展することがないため、骨癒合しなくても大きな問題に発展することはありません。

 

骨端線がある成長期では、「すべり症」に発展する可能性があり、しっかりと治す必要性があります。

 

小学生の分離症であれば、骨端線が閉鎖するまでの期間が長いため、尚更「すべり症」に発展する可能性が高く、厳重な管理が必要です

 

②進行度合い

疲労骨折なんで、骨折線があります。

骨折線の大きさで

 

●初期 

●進行期 

●終末期

 

という3段階に区分されます。

これを知ることで何が変わるか?

 

 

骨癒合率が段階で異なります

初期 94% 進行期 64% 終末期 0% 

 

骨癒合期間

初期 3.2ヶ月   進行期 5.4ヶ月

 

 

分離症治療のポイント まとめ

 

 

①すべり症の後遺症を残さない

②疼痛を早期に治す

③硬性のコルセットで固定する

④股関節、胸椎の動きをよくする

 

画像などは今回は掲載しませんが、

評価方法があり、

何のために評価するかを知ることが大切です。

 

治療院で痛みを取れば良いわけでもなく、

痛みなんか時間で取れてしまいます。

3週間運動を休めば8割は改善します。

 

選手も親も正しい情報を持って、

正しい判断ができる医療機関に受診してください。

 

治療家はそのサポートにまわりましょう。

 

チームプレーで選手を治せれば良いのではないでしょうか。

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