外傷性と非外傷性
肋骨骨折には発生機序が
①明らかな要因があるもの
②気づいたら痛くなっているもの
と、大きく2パターンあります。
①には
-
転倒
-
ぶつける
-
野球、ゴルフのスイング
といったものが挙げられます。
②には
- そういえばゴルフを3日前にやった
- ジョギングをしていることが原因か
- 1週間前にぶつけたけど。。。
などがあります。
症状・所見
以下の3点がポイントです。
- 深呼吸での痛み
- 咳、くしゃみでの痛み
- 限局性圧痛
上記が3つが揃えば疑います。
回旋動作も疼痛が誘発されますが、
絞るなら上記で良いと考えています。
圧痛はピンポイントでの痛みがありますので、
それをしっかりと探ってくください。
確定診断
レントゲン及びCT検査での画像診断が確定診断になります。
レントゲンでは見逃すこともありますので、
確実に診断をつけなければならない状況ではCTが有効だとは思います。
予後
印象として、95%以上の肋骨骨折は予後も問題なく改善します。
症状の改善にはおよそ1ヶ月を要します。
多発性骨折や骨折部の転位(ズレ)が大きいときは偽関節化することもあります。
偽関節化すると半年経っても疼痛が続くことがあり、手術の選択肢を要することもあります。
治療法
基本的にはバストバンドという、胸郭の拡大を防ぐバンドを装着してもらいます。
あまり効果なければ不要なのですが、多発骨折や転位が大きいときは、
着用したほうが良いでしょう。
※転位に関しては、骨折部断端が接触してなければ要注意かと…
落とし穴
気胸、血胸などが併発していることがありますので、
息苦しさなどがあれば注意を要します。
息がしづらいなどあれば医療機関で検査することを勧めます。
まとめ
教科書的には肋骨7番に多いとされていますが、
どこをぶつけやすいかという問題だけで、
どこの部位で発症するかは怪我の仕方で変わります。
疲労骨折などもありますが、
頻度としては圧倒的に外傷ですね。
意外と日数が3日〜7日経過してから、
疼痛が強くなり受診される方も多いです。
偽関節症例は経験が少ないですが、
発症すると疼痛が取れないので注意してください。
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