圧迫骨折
「いつのまにか骨折」と言われて認知されている脊椎の骨折です。
高齢者が尻もち、転倒で発症することが多いですが、
特にエピソードがなくても骨折していることがあるので
「いつのまにか骨折」と言われております。
物を持つだけでも骨折していることも珍しくありません。
そんな圧迫骨折についてまとめます。
対象者
60歳以上の方に多く、特に女性が多いです。
70歳を超えると性別問わず発症することがあります。
60歳以上になると増加する理由は骨密度の低下が原因と考えられます。
糖尿病などの持病を持っている方は「骨質」も低下しますので、
骨密度だけが尺度にはならず、骨折を起こしやすいです。
症状
立ち上がり動作での痛みを9割以上の方は訴えます。
70歳を超えるとギックリ腰はほとんど起こりません。
前かがみの痛みや立ち上がりの痛みが出れば注意を要します。
2ヶ月ほどは疼痛が続きますが、
1ヶ月経てば痛みは半分程度まで下がります。
ただ、痛みが強いため一人暮らしのご高齢の方は、
ご家族が入院を希望されることが多く、
それくらい動くのが大変だというのがわかります。
評価方法
確定診断は画像評価になります。
レントゲンでも圧潰(骨が潰れている)を確認できますが、(上図参照)
軽度であればハッキリとわからないこともあります。
上記画像では他の骨に対して、
上下から圧迫を受けて潰れた感じになってます。
横棒を引いてみると凹みがわかりやすいかと思います。
これが圧迫骨折です。
レントゲン
立位と臥位(立っている状態と寝た状態)でレントゲン検査することで、
骨の動揺性が確認できるため、
新鮮と陳旧(新しいか古いか)を判断することも手法なります。
詳しく話すと偽関節の評価に用いられる撮影方法になりますが。
MRI
レントゲンでわからない骨折でも発見できるのがMRIです
骨の信号が他と変わりますので、
一般の人でも理解できるような画像です。
赤矢印の部分が圧迫骨折の骨になります。(L3:第3腰椎)
骨の模様が他は「濃いグレー」に対して「白く」なっているのがわかるかと思います。
ちなみに骨と骨の間にあるのが椎間板ですね。
これで確定です。
治療方針
基本原則は3ヶ月のコルセット着用です。
1ヶ月ほどは積極的に動き回らない方が良いです。
骨硬化していない(固まっていない)骨は、
荷重がかかり続けると潰れる可能性があるからです。
年齢、疼痛にもよりますが、
1ヶ月半くらいから活動レベルを上げることを勧めます。
後遺症として「クレフト」という偽関節を作ってしまうと、
疼痛が残存してしまい、
手術になるケースがあります。
まとめ
圧迫骨折は転倒、尻もち、重量物を持ち上げるなどで発症が多い
立ち上がりが痛む
レントゲン、MRIが診断には有効
コルセットは3ヶ月
圧迫骨折の基本的な考えはこれで良いかと思います
参考にしてください。
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