MRI 足関節 まずは画像をみてください
30歳男性
外傷なく、運動をしていて脛から足関節周囲に疼痛出現
歩行時の痛みを出現したため受診
レントゲンでは明らかな異常所見なく、MRI施行。
MRI 脂肪抑制画像 sagittal
MRI T1強調画像 sagittal
さて、画像は多くみれば見るほど、
それに比例して異常をみつけやすくなります。
正常の画像を多く診ることが大切ですが、
異常も知らないといけませんので、
参考にして頂ければ幸いです。
今回は下腿〜足関節の痛みですが、
本症例は結論から言いますと疲労骨折です。
MRI 早期発見
疲労骨折は早期発見にはMRIが有効であり、
レントゲンでは発見できないことは多いです。
発症から4週間ほどの経過で骨硬化像と言われる、
骨折線を確認することは可能です。(下の画像参照)
上の図がレントゲンで骨硬化像を認めた画像になります。(脛骨)
なお、MRIでは骨髄内の信号変化が起こります。
骨周囲にも信号変化は及びます。
上の図の矢印の部分が骨折部になりますが、
この撮像方法であれば、
骨折線は低信号(黒)で描出されて、
周囲は炎症所見として高信号(白)で描出されます。
骨硬化像
疲労骨折では初期は骨折線は見えません。
正確にいうと、骨折線は経過でも見えないことが多く、
骨硬化像および仮骨形成にて評価します。
画像のように矢印の先に白い線が見えます。
これが骨硬化像であり、
骨折に伴う修復反応です。
これで骨折確定になります。
発症からおよそ4週間での出現が多いです。
まとめ
疲労骨折はMRIで初期に見極める方法と、
経過のレントゲンで見極める方法とがあります。
疲労骨折を疑うエピソードと所見が大切なのですが、
確定方法も知っておくと、
話せることが変わりますね。
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