学生スポーツの膝痛 12選
徐々にスポーツ活動が解禁されていき、運動も通常通りに再開しそうな流れになりました。ということで今回は膝の痛みについて解説。
これも医療機関を受診するも診断がはっきりしないものも多いです。画像での評価がでないものが多いからです。ですので、「診断」ということでは徒手検査、評価が非常に大事な要素になります。
親の方の心配されることに
①放置しておいて良いのか
②放置しておいたら大変なことになるのか
③痛くてパフォーマンス落ちてるけど、どうすれば早く復帰できるのか
この3つに分別されると思います。
外傷のない膝痛
今回は外傷(捻る、ぶつける)がなく痛みが出た場合のポイントになります。
診断、評価は重要な要素であり、ここを間違うと「しかるべき治療」をしなければ治りません。
列挙しますと
①オスグッド病
②分裂膝蓋骨
③膝蓋腱炎(ジャンパー膝)
④タナ障害
⑤疲労骨折(膝蓋骨、脛骨、大腿骨)
⑥離断性骨軟骨炎
⑦鵞足炎
⑧Hoffa脂肪体炎
⑨半月板損傷(円盤状半月板)
⑩腸脛靭帯炎
⑪腓腹筋内側頭炎、外側頭炎
⑫シンディングラルセンヨハンソン病
などなど。
これらは徒手検査(いわゆる触ったり、動かしたり)で8割は判別可能です。ただ、整形外科に受診されれば念のために画像検査はしておいた方が良いです。骨腫瘍や別の疾患の前兆がでることはありますので。疾患の程度が把握できることもあります。
手術が必要になる怪我
手術適応になる可能性がある疾患は
⑤疲労骨折(膝蓋骨、脛骨、大腿骨)
⑥離断性骨軟骨炎
⑨半月板損傷(円盤状半月板)
です。
①オスグッド病
②分裂膝蓋骨
は、骨片及び分裂部が癒合せずに成長期が終わっても疼痛がでる場合は、手術することもあります。いわゆる後遺症として。逆に言えば、後遺症が生じてから手術しても良い疾患とも言えます。半月板損傷もそういう観点で見ると症状が続けば手術で良いので、同じ括りで良いのかと思います。
⑥離断性骨軟骨炎
これは進行度合いによって、保存的治療(手術しない方法)で対応できるか変わりますので、早期発見が重要になります。
⑤疲労骨折
これも発見が遅くなれば、完全に骨折してしまう可能性があります。膝の前が痛いと思っていたけど、剣道の踏み込みでバキッとなり歩けない。などは完全に骨折した瞬間です。膝蓋骨の疲労骨折は転位(ズレ)が大きければ手術なんで、膝蓋腱炎などと間違いないようにしなければなりません。
判断を間違えるとボキッといくことがあります。
運動復帰の期間も長く要します。
ほとんどのスポーツ疾患は知識があれば、大きな問題は起こさずにしっかり治すことができます。医療従事者も知識があれば、大きな問題を回避することができ、運動復帰のサポートに大きく貢献できます。
細かい部分は、機会があれば書きたいと思います。
膝疾患(外傷なし)の8割は上記疾患に該当すると思います。
手術の可能性もあり、この疾患は大変だなと思うのは
⑥離断性骨軟骨炎です。
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