手首の痛み
今回は手首の話になります。
手首の痛みはなかなか、結構厄介な印象です。
理由は2つ
①疼痛部位の特定が難しい
②安静にできない
①疼痛部位の特定が難しいというのは、
手首は筋肉、腱、軟骨などの組織が重なっている部分もあり、
診断も難しいことがあり、「尺側部痛症候群」などまとめられることも多いです。
画像評価、MRIでも描出されないことも多く、
痛みのある組織を限定するのは医療従事者も経験を必要とします。
②安静にできない
手首は何をするにしても使ってしまうので、
単純に安静にしにくい場所です。
固定すると相当不便になりますし。。。
安静にできなければ、治しにくい疾患もありますので、
治りにくい場所とも言えるでしょう。
一方で体操、野球、テニスなどの運動競技で手関節の痛みが出現することは多く、
長期間に及んで困っている選手もいます。
今回はその中でも落とし穴があり、
ベースに遺伝的な骨の形態で痛みが出やすい「尺骨突き上げ症候群」について簡単に説明します。
尺骨突き上げ症候群
画像は手首のMRIです。
太い骨(橈骨)と細い骨(尺骨)がありますが、
結論を言うと、尺骨が橈骨より長くなっている状態を尺骨突き上げ症候群と言います。
白い線は尺骨の関節面と橈骨の関節面になりますが、
尺骨の方が長い状態なのがわかります。
この形状があることで、
手首の外側にストレスがかかりやすく、
痛みの原因になることがあるのです。
ですので、
症状が長引く場合には、
尺骨を短く切ってしまう「短縮術」と言う手術をする人もいます。
そして、この「尺骨突き上げ症候群」は珍しくなく、頻繁に遭遇します。
骨にこういった特徴を持っている方は、いわゆるTFCC損傷(軟骨を痛める)も発症しやすいと言えます。
痛みがなかなか取れない
画像は「尺骨突き上げ症候群」があり、
手首の痛みが取れない中高年の方です。
月状骨(矢印)と言われる手首の骨だけが白く色が変わってます。
これは炎症が起こっている状態で痛みの原因になっています。
こうなると手首に負担のかかる作業を減らす、根本は尺骨を短縮させる手術をする。
という選択肢となってきます。
仕事で手首に負担がかかる人に多い傾向が圧倒的に強いです。
まとめ
手首の痛みは治りにくい
元々の骨の特徴(尺骨が長い)で痛みが出やすい人がいる
尺骨突き上げ症候群はレントゲンでも評価できますので、
手首の痛みが続く、頻繁という方はレントゲン評価をしてみるのも良いと思います。
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